1. ロータリーとは
ロータリーは人道的奉仕を行い、あらゆる職業において高度の道徳的基準を守ることを奨励し、かつ世界における親善と平和の確立に寄与することを目指した事業および専門職務に携わる人が世界的に結びあった団体です。
一言で言えば、ロータリーは利他の心を養い、人を育てるとともに、献身的な
奉仕活動を行う世界的な団体です。
2. ロータリーの奉仕理念とは
ロータリーの奉仕理念とは他への思いやりの心、助け合いの心、他人のお役に立つ行いをしようとする心です。
寛容・慈愛・忍耐
(創始者 ポール・ハリスの信条)
3. ロータリーに奉仕理念を提唱した人
アーサー・F・シェルドンはアメリカ・ミシガン州ヴァーノン生まれで、初期ロータリーの指導的人物でした。
1908年にシカゴロータリークラブに入会し、ロータリーに奉仕の理念を提唱した人ということであまりにも有名な方です。
He profits most who serves best. すなわち「最も奉仕するもの最も多く報いられる」という奉仕理念を提唱しました。
また、Service Above Self 「超我の奉仕」という人を思い遣り、人のために尽くすというこれら2つの理念がロータリーのモットーとなっています。
4. ロータリーの目的とは
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。
具体的には、次の各項を奨励することにある: |
第1 知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること;
第2 職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること;
第3 ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること;
第4 奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。
「ロータリーの目的」の4つの項目は、等しく重要な意味を持ち、また同時に行動を起こさなければならないものであるということで、RI理事会の意見が一致した。
5. ロータリーの歴史
20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになっていました。
ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士“ポール・ハリス”はこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。
ロータリーとは、集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名付けられたものです。
こうして1905年2月23日にシカゴ・ロータリークラブが誕生しました。
それからは志を同じくするクラブが、次々各地に生まれ、国境を越えて、今では世界200以上の国と地域に広がり、クラブ数は約35,700クラブ、会員総数は1,210,000人以上に達しています。
そして、これら世界中のクラブの連合体を国際ロータリー(RI)と称します。
このように、歴史的に見ても、ロータリーとは職業倫理を重んじる事業および専門職務に携わる人の集まりなのです。
その組織が地球の隅々まで拡大するにつれて、ロータリーは世界に眼を開いて、幅広い奉仕活動が求められるようになり、現在は多方面にわたって多大な貢献をしています。
6. 日本のロータリー
わが国最初のロータリークラブは1920年(大正9)10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。
日本でのロータリークラブ設立については、ポール・ハリスの片腕としてロータリーの組織をつくり、海外拡大に情熱的に取り組んだ、初代事務総長チェスリー・ペリーと、日本のロータリー創立の準備に奔走した米山梅吉、福島喜三次などの先達の功を忘れることができません。
その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われ、1940年に国際ロータリーから脱退します。
戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しました。
その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚しいものがあります。
ロータリー財団への貢献も抜群で、今や国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになりました。
現在、日本国内のクラブ数は約2,300クラブ、会員数は約89,000人以上になっています。
国際ロータリーの会長においては、日本初の東ケ崎潔氏(東京RC)に続き、向笠次氏(大分・中津RC)、そして田中作次氏(埼玉・八潮RC)が就任しました。
7. 四つのテスト 〜言行はこれに照らしてから〜
事業および専門職務に携わるロータリアンの心構えとして、価値ある目標を追い求めるための指針です。さらに、広く一般に、多くの人の論理的な羅針盤を提供することとして、簡潔かつ的確にまとめたものが [四つのテスト] です。
The Four-way test 四つのテスト
1. Is it the truth ? 真実かどうか
「嘘偽りがないかどうか」という意味です。商取引において、商品の品質、納期、契約条件などに嘘偽りがないかどうかは、非常に大切な基準です。
2. Is it fair to all concerned ? みんなに公平か
「すべての取引先に対して公正かどうか」ということを意味します。
3. Will it build goodwill and better friendships ? 好意と友情を深めるか
その商取引が店の信用を高めると同時に、よりよい人間関係を築き上げて、取引先を増やすかどうかを問うものです。
4. Will it be beneficial to all concerned ? みんなのためになるかどうか
商取引において適正な利潤を追求することは当然なことであり、決して恥ずべきことではありません。ただし、売り手だけが儲かった、また買い手だけが儲かったのでは公正な取引とは言えません。その商取引によって、すべての取引先が適正な利潤を得るかどうかを問うものです。